近年、なにかと話題の仮想通貨。「仮想通貨投資を始めてみたい!」と思っても、何から始めればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか?
この記事では
「仮想通貨投資をしたいけれど、何から始めればいいのかわからない」
「仮想通貨の買い方が知りたい」
「どの暗号資産交換所に登録すればいいのかわからない」
という方のために、仮想通貨の買い方や暗号資産交換所の選び方、取引所と販売所の違いや注文方法などについて解説します。
そもそも「仮想通貨ってなに?」という方はこちらの記事もご参考ください。
「仮想通貨とは?初心者にもわかりやすく一から解説!メリットも!」
仮想通貨|買い方の流れ
仮想通貨の買い方の流れは以下の通りです。
ステップ1:暗号資産交換所を選ぶ
ステップ2:口座開設をする
ステップ3:入金する
ステップ4:取引所or販売所のどちらを利用するか検討する
ステップ5:買い方を検討する
それぞれの詳細を確認していきましょう。
ステップ1:暗号資産交換所を選ぶ
まずは、仮想通貨の取引が可能な暗号資産交換所を選びます。暗号資産交換所とは、法定通貨と暗号資産の交換を行う場所のこと。(以降「交換所」と記載)暗号資産同士で交換することも可能です。
交換所は、国内にも海外にも複数存在します。では、どのような基準で交換所を選べばいいのでしょうか?
ここでは、交換所の選び方を解説します。
安全性の高い交換所を選ぶ
1つ目は、安全性の高い交換所を選ぶことです。仮想通貨はインターネット上で売買することが基本。そのため、安全性の高い交換所を選ぶ必要があります。
「安全性が高い=セキュリティがしっかりしている」ということです。セキュリティの低い交換所の場合、ハッキングなどのリスクが高く、大切な財産を守れない可能性があります。
安全性の高い交換所の基準として、まずは、金融庁に認可されている交換所を選びましょう。
日本で交換所を運営するためには、金融庁に登録しなければなりません。そのため、認可されている交換所はセキュリティなどの対策を満たしているということになります。
交換所は海外にもたくさんありますが、海外の交換所は初心者にはあまりおすすめできません。
理由は主に2つ。
1つ目は、購入する際は「ドル」が基本になるため。「円」に慣れている初心者には馴染みがないため、間違った注文をしてしまう可能性が考えられます。
2つ目は、金融庁の認可がないため。先ほどお伝えした通り、日本では金融庁の認可を得ないと交換所として運営ができません。しかし、海外の取引所はそのような規制がないため、信頼性の低い交換所も含まれているのです。
実際に金融庁は海外の交換所に対して警告書をだしているため、今後、日本が海外の交換所を禁止にする可能性もあります。その場合、購入していた仮想通貨を日本円に戻せる保障はありません。
もちろん、海外の交換所のすべてが危険な訳ではありません。しかし、初心者のうちは見分けが難しいため、日本の交換所を利用した方が無難でしょう。
※:金融庁|暗号資産の利用者のみなさまへ
※:金融庁|暗号資産交換業者登録一覧
買いたい銘柄がある交換所や取扱銘柄の多い交換所を選ぶ
2つ目は、買いたい銘柄がある交換所や取扱銘柄の多い交換所を選ぶことです。
仮想通貨の銘柄は数万種類あると言われており、交換所によって取り扱う銘柄は異なります。そのため、買いたい銘柄が決まっている場合は、買いたい銘柄を取り扱っている交換所を選びましょう。
また、仮想通貨取引を始めた段階では代表的な銘柄があれば問題ないかもしれませんが、慣れてくるといろいろな銘柄に興味がわいてくるのはよくあることです。取引の幅を広げるためにも、取扱銘柄の多い交換所を選ぶこともおすすめです。
手数料の安い交換所を選ぶ
3つ目は、手数料の安い交換所を選ぶことです。
仮想通貨の取引をする際には、各種手数料がかかる場合があります。値動きで利益を得ても、手数料が高いと利益が減ってしまう可能性もあります。
手数料は交換所によって異なるため、口座開設をする前に確認しておきましょう。
入金手数料
入金手数料とは、交換所の口座に日本円を入金する際にかかる手数料のことです。交換所によっては、入金手数料が無料のところもあります。
代表的な入金方法は以下の3点です。
インターネットバンキングでの入金
銀行振込
コンビニ入金 など
注意したいのは、交換所の口座に入金する際は交換所の手数料の他に、振込手数料もかかることです。特に、銀行振込やコンビニ入金の場合は手数料がかかってしまうケースが多いので注意しましょう。
入金時の手数料を無料にしたい人は、入金手数料が無料の交換所を選んだり、振込手数料が無料の銀行でインターネットバンキングを利用したりすることをおすすめします。
出金手数料
出金手数料とは、保有している仮想通貨を日本円に換えて出金するときにかかる手数料のことです。交換所によっては出金手数料が無料の場合もあります。
取引手数料(購入手数料)
取引手数料とは、仮想通貨を買う際にかかる手数料のことです。日本円で仮想通貨を買う場合や、仮想通貨同士を交換する場合にかかります。
交換所には「取引所」と「販売所」があり、取引手数料がかかるのは取引所のみです。販売所で仮想通貨を買う際に手数料はかかりませんが、スプレッドがかかります。
スプレッドとは
売値と買値の差額のこと
=交換所の利益
「売値が48万円・買値が50万円」の場合、スプレッドは2万円になる
実質的には、スプレッドは販売所でかかる手数料のようなもの。そのため、仮想通貨を買う際には、取引所でも販売所でも手数料がかかるとイメージしておきましょう。
取引所と販売所については後ほど詳しく解説します。
送金手数料(入出庫手数料)
送金手数料とは、仮想通貨を他の交換所に送る際にかかる手数料のことです。「A交換所」から「B交換所」に暗号資産を送る場合にかかります。
なお、送金手数料は交換所や仮想通貨の銘柄により異なります。
レバレッジ手数料
レバレッジ手数料は、日をまたいだレバレッジ取引をした場合にかかる手数料のことです。レバレッジ取引をしても、その日のうちに取引を終えれば、レバレッジ手数料はかかりません。
交換所によって多少異なりますが、レバレッジ手数料は0.04%前後のことが多いため、それほど大きい金額ではありません。しかし、長期間保有していると手数料の負担が大きくなってしまいます。
そのため、レバレッジ取引時には手数料にも注意しなければなりません。レバレッジ取引に関しては後ほど詳しく解説します。
積立手数料
積立手数料とは、仮想通貨の積立制度を利用する場合にかかる手数料のことです。
交換所によっては、毎月一定額を積み立てすることが可能です。ただし、積立制度を利用する場合は、自動的に「販売所」を利用することになるため、必然的にスプレッドがかかります。
「積立手数料は無料」と記載されている場合でもスプレッドはかかってしまうため、積立制度を利用する場合は少額でも手数料がかかることを覚えておきましょう。
手数料の安いおすすめ交換所
ここでは、おすすめの暗号資産交換所をご紹介します。あくまでも、筆者の独断ではありますが、交換所選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
おすすめ交換所は「GMOコイン」と「bitbank」です。両者とも手数料が安く、お互いにない銘柄を取り扱っているため、初心者さんはまずこの2社から始めてみるのはいかがでしょうか?
以下には、初心者さんに人気のある「bitFlyer」と「Coincheck」の情報も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
GMOコイン | bitbank | bitFlyer | Coincheck | |
入金手数料 | 0円 | 0円 | ・住信SBIネット銀行からクイック入金:0円 ・住信SBIネット銀行以外からクイック入金:330 円 | ・銀行振込:無料 ・コンビニ入金・クイック入金:金額により770~1018円 |
出金手数料 | 0円 | ・3万円未満:550円 ・3万円以上:770円 | ■三井住友銀行へ出金 ・3万円未満:220円 ・3万円以上:440円 ■三井住友銀行以外へ出金 ・3万円未満:550円 ・3万円以上:770円 | 407円 |
取引手数料 | ■BTC・ETH・XRP・DAI ・Maker:-0.01% ・Taker:0.05% ■上記以外の銘柄 ・Maker:-0.03% ・Taker:0.09% | ・Maker:-0.02% ・Taker:0.12% | 別表参照 | ■BTC・LSK・MONA・DAI・WBTC ・Maker:0% ・Taker:0.05% ■ETC・PLT・FNCT ・Maker:0% ・Taker:0.1% |
取扱銘柄数 | 23 | 38 | 31 | 30 |
レバレッジ取引の可否 | 可能 | 不可 (可能になる予定) | 可能 | 不可 |
別表
直近 30 日の取引量 | 手数料 |
10 万円未満 | 0.15% |
10 万円~ 20 万円未満 | 0.14% |
20 万円~ 50 万円未満 | 0.13% |
50 万円~ 100 万円未満 | 0.12% |
100 万円~ 200 万円未満 | 0.11% |
200 万円~ 500 万円未満 | 0.10% |
500 万円~ 1000 万円未満 | 0.09% |
1000 万円~ 2000 万円未満 | 0.07% |
2000 万円~ 5000 万円未満 | 0.05% |
2000 万円~ 1億円未満 | 0.03% |
1億円~ 5億円未満 | 0.02% |
5 億円以上 | 0.01% |
Makerとは:取引所の板にない指値注文を出す取引参加者
Takerとは:取引所の板に並んでいる価格で注文を出す取引参加者
ツールの使いやすさで選ぶ
4つ目はツールの使いやすさで選ぶことです。
各交換所では、パソコンはもちろん、スマホで利用できるアプリなどのツールを提供しています。
取引所の使いやすさやチャートの見やすさなどを確認して、自分にとって使いやすいツールを提供している交換所を選びましょう。
レバレッジ取引可能かどうかで選ぶ
5つ目は、レバレッジ取引可能かどうかで選ぶことです。
レバレッジ取引とは、交換所の口座にいれた現金を証拠金として、その何倍かの金額の仮想通貨取引をすることです。
レバレッジ取引は少ない金額でも大きな利益を得られるメリットがある一方で、仮想通貨が値下がりした場合は証拠金がゼロになってしまうリスクも含まれています。
レバレッジ取引を行う際は、ハイリスクハイリターンであることを十分に理解してから行うことが重要です。
ステップ2:口座開設をする
交換所を選んだら、早速口座開設を行いましょう。口座開設の流れは以下の通りです。
口座開設の流れ
1.メールアドレスを登録する
2.電話番号認証をおこなう
3.個人情報を入力する
4.各種重要事項を確認する
5.本人確認書類を提出する
本人確認書類は以下のいずれかを準備しておきましょう。
使用可能な本人確認書類
・マイナンバーカード
・運転免許証
・パスポート
・住基カード
・運転経歴証明書
・在留カード
・特別永住者証明書 など
なお、口座開設の流れや使用可能な本人確認書類は、交換所により多少異なる場合もあります。
ステップ3:入金する
口座開設が終わったら、仮想通貨を買うために日本円を入金しましょう。主な入金方法は銀行振込です。
注意してほしいのは、入金手数料と銀行振込時にかかる手数料は別のものということです。入金手数料が無料の交換所で口座開設しても、振込手数料のかかる銀行を利用している場合は、入金時に手数料がかかってしまいます。
手数料を無駄にしないためには、できるだけ振込手数料の安い銀行口座を準備しておくことが大切。ネット銀行であれば、振込手数料無料の銀行や振込手数料の安い銀行が多いです。
メガバンクを利用する場合でも、最低限インターネットバンキングは利用できるようにしておきましょう。ATM振込や窓口振込は振込手数料が高いためおすすめできません。
ステップ4:取引所or販売所のどちらを利用するか検討する
入金が完了したら、いよいよ仮想通貨の購入が可能になります。まずは、「販売所」と「取引所」のどちらを利用するか検討してください。
それぞれの違いは以降で解説しますが、手数料の安さを重視したい場合は取引所がおすすめです。
取引所
取引所は、利用者同士で直接仮想通貨の売買を行う場所です。現実に例えると、フリーマーケットのようなもの。リアルタイムで変動する売買版に表示されている価格と数量に応じて取引を行います。
なお、取引所では表示されている現在の価格で購入する「成行」の他、指定した価格で購入予約をする「指値注文」も可能です。
取引所の手数料は販売所のスプレッドより安いため、購入時の手数料の安さを重視したい方は取引所を利用しましょう。
販売所
販売所は、交換所を運営する会社と利用者の間で仮想通貨の売買を行う場所です。現実に例えると、一般的なお店で買うようなもの。交換所の運営会社が仮想通貨を仕入れて価格を決め、利用者は提示された価格で購入します。
購入時に手数料はかかりませんが、スプレッドという実質的な手数料のようなものがかかり、スプレッドは取引所の手数料より高い場合がほとんどです。
販売所で仮想通貨を買う場合は、銘柄と数を指定して「買う」をクリックすれば、手続きが完了します。
ステップ5:買い方を検討する(取引所の場合)
取引所で購入する場合は、買い方を検討します。主な注文方法は、「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3種類です。
成行注文
成行注文とは、現在の価格で「今すぐ買いたい!」「今すぐ売りたい!」というときに使う注文方法です。
取引所画面に表示されている価格ですぐに売買したい場合に利用します。
指値注文
指値注文とは、売買したい価格と数量を指定して注文する方法です。「〇円以下になったら買いたい」「〇円以上になったら売りたい」というときに使います。
指値注文をした場合、即時取引が完了する訳ではありません。指定の金額と数量で売買が成立した段階で取引が完了します。
逆指値注文
逆指値注文も売買したい価格と数量を指定して注文する方法です。指値注文と違う点は、現在よりも不利な注文レートを指定するところです。「〇円以上になったら買いたい」「〇円以下になったら売りたい」というときに使います。
逆指値注文の場合も、指定の金額と数量で売買が成立した段階で取引が完了します。
仮想通貨を買う際の注意点
最後に、仮想通貨を買う際の注意点を確認しておきましょう。
仮想通貨は変動の大きい金融商品だと理解しておく
1つ目の注意点は、仮想通貨は変動の大きい金融商品だと理解しておくことです。
仮想通貨は、他の金融商品と比較して変動が大きいという特徴があります。そのため、レートが急騰した翌日に暴落することもめずらしくありません。レートの変動に一喜一憂していると身が持たなくなってしまうでしょう。
仮想通貨は変動制の大きな商品であることを理解し、長期的な目線をもったり指値や逆指値を利用したりして、価格変動への耐性をもつことを心がけることが大切です。
値動きの周期を把握しておくことも大切
価格変動への耐性をもつためには、値動きの周期を把握しておくことも大切です。仮想通貨の周期には2つのポイントがあります。
1つ目は、年間周期です。仮想通貨の中には、1年の中でレートが上がりやすい月や下がりやすい月があります。
年間周期
・1~3月は上がりやすい
・4~6月は下がりやすい
・7月は上がりやすい
・8~9月は下がりやすい
・10~12月は上がりやすい
2つ目は、4年周期です。仮想通貨は約4年サイクルで「上昇期→バブル期→下落期→低迷期」を繰り返しています。
■上昇期(2012年)→バブル期(2013年)→下落期(2014年)→低迷期(2015年)
■上昇期(2016年)→バブル期(2017年)→下落期(2018年)→低迷期(2019年)
■上昇期(2020年)→バブル期(2021年)→下落期(2022年)→低迷期(2023年)
■上昇期(2024年)→バブル期(2025年?)
もちろん、周期は100%確実な訳ではありません。しかし、値動きを把握するための参考にはなるでしょう。
海外の交換所に注意する
2つ目の注意点は、海外の交換所に注意することです。
海外の交換所の中には、詐欺のような仮想通貨を扱っているところや、所在地不明・代表者不明のような交換所も存在します。
もちろん正当な交換所もたくさんありますが、金融庁は正当な交換所の利用に対しても警告をだしています。そのため、なにかしらの問題が起こった場合、預けている資産が戻ってくる保障はありません。
また、セキュリティ対策が不十分な交換所もあります。
海外の交換所を利用する場合は、これらのリスクを把握したうえで慎重に取引を行いましょう。
仮想通貨取引で得た利益にかかる税金を把握しておく
3つ目の注意点は、仮想通貨で得た利益にかかる税金を把握しておくことです。
仮想通貨で得た利益は雑所得に分類され、総合課税として給与所得や事業所得と合算されます。また、仮想通貨で利益を得た場合は基本的に確定申告が必要です。
確定申告が必要にも関わらず申告漏れがあると、無申告加算税や延滞税が課せられる可能性があるため注意が必要です。ただし、年末調整を受けた給与所得者の仮想通貨で得た利益が20万円以下の場合は、確定申告は不要です。
なお、残念ながら2024年6月現在では、NISAのような利益が非課税になる制度は適用されません。
詐欺に注意する
4つ目は、詐欺に注意することです。
残念ながら、仮想通貨の世界では詐欺が存在します。極端に言ってしまえば、仮想通貨は誰でも作れてしまうため、詐欺には十分に注意する必要があります。
・知人から今後価値が上がる仮想通貨を勧められた
・SNSでお勧め仮想通貨情報のダイレクトメッセージがきた
・セミナーで今後価値が上がる仮想通貨を勧められた
詐欺被害にあう可能性は、ほぼ上記のようなケースを通して仮想通貨を購入した場合です。つまり、安全な交換所で取引を行っている限り詐欺にあうことはないため、必要以上に心配しなくても問題はありません。
取引所や注文方法の違いを把握してから仮想通貨の購入をしよう
仮想通貨を買うためには、仮想通貨交換所で口座開設をする必要があります。交換所は国内だけでも複数あるため、手数料や取扱銘柄などを確認して自分にあう交換所を選ぶことが大切です。
各交換所には「取引所」と「販売所」があります。また、取引所では「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」などの注文方法が選べます。仮想通貨を買う前には、最低限これらの違いを把握してから取引を行いましょう。